JAくまは、本年度から定年退職者を対象に、JAだからこそできる「農」を通じた就農支援事業「年金プラス4万円プロジェクト」が20日、球磨郡多良木町多良木の実習農地で始まった。同プロジェクトは、事業を通じ「働く場を通じた生きがいづくり」・「年金プラス4万円の所得」・「適度な農作業による健康増進」を支援しようと、同JAの上球磨支所総合渉外係の大塚由香美さん(43)が提案。農地は、JA出資型法人・㈱のどかが、田んぼ20㌃を提供。人吉・球磨郡在住の定年退職者を対象に、郡市を中心に退職者7人から申し込みがあった。
実習農地では、JA営農指導員が指導し、各自割り当てされた1・5㌃区画に肥料と石灰を手作業で散布。湯前町の育苗センターで白菜、キャベツ、レタス、ブロッコリーの種をまいた。妻と孫2人と参加したあさぎり町の愛甲賢一さん(66)は「家族に後押してもらいながら農業の技術を学び、おいしくて、良い野菜を作りたい」と意気込んだ。企画した大塚さんも1区画で作業し、参加者らとともに汗を流した。
簑毛正勝組合長は「健康管理には十分気を付けて、安全安心な農産物を作り、農業でより良い第2の人生を」と激励した。今後は、畝立てとマルチ張りや、種まきをした野菜苗4種類の定植作業と直播きでできる野菜の種まきを予定している。