食味ランキングで特Aを6年連続して獲得している「七城のこめ」のおいしい米どころでもある菊池市七城町の加恵営農改善組合は、「地域の農地を守り、若い人を育てていこう」と、初めての加恵米食味コンクールを開いた。
加恵集落は47戸。その内23戸が稲作農家(耕作面積は45㌶)で、おいしい米づくりに研鑽を重ねている。しかし、後継者は現在2人。集落の農地を残すために、住民みんなで意識を高めようと始めて開らかれた。
食味計による第一次審査を経て、当日は上位5人の米が、炊飯器で炊かれて食味された。集落の幼児から高齢者まで、一口ずつ味わい評価した結果、最優秀賞には菊永光作さん(53)の米が選ばれた。菊永さんは、うまい米全国コンクール2位の受賞歴を持つ実力者だ。「こだわって心を込めて作っている。皆の評価にドキドキした。おいしさが伝わりよかった」と笑顔を見せた。
同組合山下英雄組合長は「初めての企画で手さぐり状態だったが、多くの住民の参加があり、農家、非農家に関わらず、地域の農地を皆でまもろうと意識が高まった。農地を守るには、おいしい米づくりが一番。後継者を育てていきたい」と話した。同組合は稲作部会を設置して、米づくりの研究・研修を重ねている。
来賓として出席したJA菊池三角修組合長は「レベルが高く、評価に苦労した。また地域の熱い思いが伝わってきた」と話した。
昼食には、同組合女子部会による新米おにぎりや郷土料理ののっぺ汁が振る舞われ、本年産米の収穫を祝った。「ヒノヒカリ」以外の品種おにぎり、味比べもあった。加恵集落は2013年から、県が取り組む人・農地プラン「農地集積加速化事業」の農地集積重点地区に指定されている。
第一回加恵米食味コンクール入賞者は次の通り。◇最優秀賞=菊永光作◇優秀賞=菊永保幸、石井雅雄、栗原誠也、山下正行