JA熊本うき三角支所や地域の生産者などで構成する「伝統作物三角サトウキビ活性会」は2日、宇城市の道の駅直売所「サンサンうきっ子宇城彩館」敷地内で黒砂糖造り実演会を開いた。昔ながらの工程で黒砂糖を製造し、サトウキビの棒巻きにして、無料配布。黒砂糖の持つ成分や地元産サトウキビの魅力を来場者にPRした。
同支所は支所活動の一環として、耕作放棄地を活用したサトウキビ栽培と黒砂糖造りを3年前から実践。伝統作物の復活と高齢農家の新たな収入源を目標に、栽培技術の普及と生産拡大を図ろうと昨年6月に同会を設立した。現在は10個人・団体が約80㌃の栽培に取り組んでいる。2月下旬には、同JA主催の三角ふるさと感謝祭でも実演会を行うなど、PR活動に力を入れ、伝統作物の周知と生産意識の向上に努めていく。
2日は、収穫したサトウキビ約600㌔を使い、皮剥ぎや汁搾り、釜炊き、成型などの製造工程を披露。搾った黒砂糖約240㍑を煮詰めて約80角を造った。できたての黒砂糖をサトウキビの茎にからめた棒巻きを振る舞い、1角(約500㌘)1000円で販売も行った。
伝統の製造方法を知り、同市三角町で栽培を伝え続けてきた同会の高濱希好会長は「地域の伝統作物を一人でも多くの方に伝えていきたい。これからも後継者の育成と栽培面積の拡大を目指していきたい」と今後の活動に意気込む。同支所の宮本久支所長は「機能性成分など黒砂糖の良さを、地域の枠を超えて広くアピールしていきたい」と期待する。