12月1日、熊本デコポンの初売りが行われ、全国各地に出荷された。熊本県全体で販売数量1万㌧(同比97%)を見込む。
【JA熊本うき】
デコポン発祥の地で、全国一の生産量を誇るJA熊本うき管内で11月29日、2014年産デコポンの出荷が始まった。作型はハウス加温に始まり、屋根掛け、露地、冷温貯蔵、鮮度保持袋を使った長期貯蔵デコポンと続き、15年6月まで6000㌧を超えるロングラン出荷を見込んでいる。
同JA柑橘選果場(宇城市三角町)での一元集出荷により、品質の均一化と安定した商品供給を目指す。同選果場に持ち込まれたデコポンは、県統一基準で糖度、酸度を光センサーで測定して出荷。12月1日には出荷先である関東、東北地方で初売りが行われた。
JA柑橘(かんきつ)部会は、消費地ニーズを踏まえた出荷配分による長期販売、安定供給を実践し、高品質のこだわり商材の顧客拡大、消費拡大対策に力を入れていく。同選果場の川﨑英二センター長代理は「おいしさを追求し、お客様に満足ゆく宇城デコポンの安定供給を目指していきたい」と話した。
【JAあしきた】
JAあしきたマルタ選果場で、12月1日に初売りを迎えた加温デコポンの選果作業が行われている。2014年産のデコポンは、台風等の気象災害もなく順調に生育。販売数量3500㌧(同96%)を見込んでいる。
光センサーで糖度と酸度を測り、品質や大きさごとに選別し、基準をクリアしたものだけをデコポンとして全国各地に出荷する。
今後は、加温ハウスで栽培したデコポンの出荷を皮切りに、無加温、露地と6月まで出荷が続く。
【JAあまくさ】
JAあまくさは11月29日、JAあまくさ統合選果場で加温デコポン約8㌧を初選果した。フリートレーに載せたデコポンを1玉ずつ光センサーにかけ、品質基準をクリアしたものを箱詰めした。主に関東・関西方面へ出荷し、12月1日が初売りとなった。
川口義英組合長は「農家の方が丹精込めて作ったデコポンを一つも無駄にする事無く丁寧に扱って頂き、天草デコポンの評価を更に高めていただきたい」と従業員へあいさつした。
松本圭太郎場長は「夏の長雨の影響による日照不足で心配されたが、10月以降の天候に恵まれ、肥大や果実品質は例年並みに回復した。生産コストも上がっている中で、少しでも高値で販売できるよう努力し、農家の経営安定・所得向上につなげたい」と話した。JAでは加温110㌧・屋根掛350㌧・露地1600㌧など合計2060㌧(前年比93・6%)の出荷を見込んでいる。
【JA本渡五和】
JA本渡五和は11月28日、加温デコポンを初選果し、約5㌧を関東・関西方面へ出荷した。今年度産は、果実肥大が良く、糖酸のバランスがとれ仕上がりは上々。
2014年度は、昨年同様に加温デコポン生産者25人が7㌶を栽培。今年は、降雨が多かったためマルチ被覆を徹底し高品質果実生産に取り組んだ。
同JAの夏井直哉販売担当は「台風などで大きな被害もなく順調に生育し、品質外観ともに順調仕上がっている」と期待を寄せる。
出荷ピークは、12月10日前後で24日まで続き、年明けから屋根掛けが始まる。今年は裏年となるが裂果が少なく、収量は220㌧(昨年比同)を見込む。