地域内・経営内一貫体制の確立を目指すJA菊池一貫繁殖牛部会は、系統素牛による優良肥育牛確保のための黒毛和種優良素牛選抜会を開き、優良牛群整備と素牛づくりを推進する。年明け初めての選抜会を23日に開き、25頭の出品があった。
同JAは、黒毛和種素牛確保支援事業を立ち上げた。毎月選抜会を開き、一貫繁殖牛部会員の出品牛で、同JAが指定した黒毛和種去勢素牛を、同JAの肉牛部会員が購入した場合に助成処置をしている。
選抜会では、素牛出荷毎に集合検査と審査を行い、推奨牛を選定。検査ではロースエコー検査を行い、肉質優良が期待される素牛を上位に選ぶ。地元で生産した優良な素牛を地元で確保し「きくちのまんま」ブランド牛の確立を目指す。
審査には、県・JAの畜産担当者、肉牛部会黒毛研究会の代表者が入り、上位5頭を決める。選抜会で指定した素牛を購入した場合、一頭あたり10万円を助成する。指定頭数は基準として5頭/月。審査により、その頭数に満たない場合は翌月に繰り越す。
審査に入った肉牛部会員の松山一信さんは「選抜会の継続で、肥育農家の求める質の良い牛が揃ってきた。今回の審査も良い牛ばかりで上位牛を選ぶのが難しかった」と話した。
出品者は「枝肉価格の低迷で、畜産情勢は大変厳しい。肥育農家あっての繁殖農家なので、良質な枝肉出荷に繋がるような素牛を提供していきたい」と話した。